販売店の保証なし、または1ヵ月・1000kmの中古車は本当に買っちゃダメなのか?
2018/01/17
格安の中古車を探していると、たまに「おおっ!」となる車に出会うことがあります。
状態と価格のバランスが申しぶんなしで、これなら買ってもいいかも・・・と思える車です。
・・・が、そういう車に限って「保証なし」とかだったりするんですよね。
保証がついていても「1ヵ月・1000km」となっていて、「大丈夫かなあ・・・」と不安になったり。
こういった車は一般的に「買ってはいけない」といわれていますが、本当にそうなのでしょうか。
保証が極端に少ない車を買ってはダメなのか
保証が極端に少ない、または保証がない車は手を出すべきではないというのが中古車を選ぶ時の原則です。
最低でも半年保証、走行無制限に保証してくれるものを選んだ方が安全なのは言うまでもありません。
ちなみに1ヵ月・1000kmとなっている場合は当然「どちらかに達するまで」となっており、購入から1ヵ月経った車はたとえ1000km走っていなくとも保証が切れてしまうことを意味しています。
要するに、販売店側としては「1ヵ月、または1000km乗るまでは面倒見るけど、それ以降も普通に乗れるかは約束できないよ」と言っているようなものです。
なので、2ヵ月以上乗る場合、1ヵ月に1000km以上乗る可能性がある人であれば、この保証項目はかなり意味を成してくることになります。
販売店が保証をつける自信のない車?
「販売店が保証をしてくれないということは、それなりの車なんじゃないの?」
「保証をつける自信がないんじゃないの?」
と思った方もいると思いますが、その通りです。
中古車の販売店もボランティアではありませんので、オークションや下取りで在庫した車を売る時には利益を出さなければやっていけません。
もし、安価に入荷した車を安価に販売したとして、手厚い保証をつけてしまったとしたらどうでしょうか。
故障しなければ薄い利益を得て万々歳かもしれませんが、万が一故障した際には赤字になってしまう可能性が高いわけです。
これは自分が中古車販売店のオーナーだったら・・・と仮定してみたらわかりやすいですね。
赤字になってまで安価な車に保証をつけようとは思わないはずです。
「保証がつかない車」=「悪い車」・・・というわけではない
では保証が付かない車はすぐに壊れてしまうような悪い車なのか?というと、実はそんなこともないんですね。
車というのはパーツ点数が膨大であり、どんなに腕の立つ整備士さんだったとしても「絶対に壊れない車」に仕上げることはできないものです。
つまり、新車を買おうと、保証が厚い車を買おうと、保証のない車を買おうと・・・いつ壊れるかは誰にもわからないということです。
新車であればあるほど、または腕の立つ整備士さんが整備していればそれだけ故障の可能性を減らすことができる・・・というだけのこと。
新車だって壊れるときは壊れますし、新車が壊れた時だって保証をしている販売店はパーツ代や工賃を実費負担して修理しなければならないのです。
また、保証がつかない車は総じて「市場価格より安価」ですよね。
実はこれ、保証を無しにすることで安価に販売することができるというビジネスモデルの一つなんです。
そのため、全く同じ車を他のお店が仕入れて保証を手厚くつければ、支払総額が市場価格並・・・もしくはそれより高額になることもあるということ。
販売価格だけでは「良い車か悪い車か」を判断することには繋がらないということも意味しています。
保証がない車にも保証を付けることができる?
実は「保証なし」となっている車でも販売店のオプションとして、有料の追加保証に加入することができる場合もあります。
保証がない車と聞くと、壊れてしまった際に販売店は「しーらない」ってなるんじゃないか?と思いがちですが、実際にはしっかりと対応をしてくれるのが普通です。
ただしその場合には、有償での修理となります。
場合によってはパーツがなかったり、修理が難しいということもあると思われますので、そのあたりは新車の方が有利ですね。(パーツも本体も替えがあるので)
結局は「故障時の修理費に対する先行投資として追加保証に入っておく(または保証代金込みで総額が高い中古車を買う)」のか、それとも「故障した際には有償で修理をする」のか・・・というだけの話なんですね。
変な話、保証付きの高い車を買っても、追加の保証に加入しても、何もなければその保証代金はすべて販売店の利益になります。
逆に、無保証で買った車の基幹部分が壊れてしまった場合、有償修理で数十万請求されるということもないわけではありません。
・・・どちらを取るか?といったところですね。
というわけなので、本体価格が安いような車に保証もしっかりつけて、支払総額も安く・・・というのはあり得ないんですね・・・。
保証の範囲にも注意
それでも中には、あり得ないほど安いのに、保証も「12ヵ月保証・走行無制限」というものもあるにはあります。
でも、その場合は保証の範囲をしっかり確認しておきましょう。
よくあるのが「工賃無料(パーツ代実費)」というもの。
期間内の故障に対して、パーツ交換の工賃分は保証するけれどパーツそのものの代金は請求しますよ、ということです。
まぁ、工賃を無料でやってくれるだけありがたいですが、なんとなく「保証」っていうイメージとは違いますよね。
他にも「消耗品は対象外」というようなものもあり、どこまでが消耗品かの切り分けが難しいところからも「実質保証なし」のような可能性もあります。
保証の範囲とは違いますが、「保証あり」となっていながらも「当社指定の任意保険に加入することが保証の条件」のような場合もあるので、保証内容については先にしっかり確認しておく必要があります。
おわりに
保証のあるなしは車の良し悪しではなく、あくまで「販売店が利益を得られるボーダーライン」で決められていると考えた方がいいですね。
保証なしの車は基本的に現状渡しに近い状態で、販売店としても薄利多売で利益を出すアイテムです。
ここに保証をたっぷりつけたら、たとえ同じ車だったとしてももっと高額になるわけです。
人によっては「保証がないなんて絶対にダメ。全車種保証付きでなければ売れないようにすべき!」と思うかもしれませんが、中古車に対する需要もいろいろあるので、「保証なんてなくてもいいからとにかく安く売ってほしい」という人のためにあるアイテムだと認識しておきましょう。
もし保証なしの車を買うんだとしたら、「壊れなかったらラッキー」ぐらいの気持ちでいないとダメですね。
※逆に保証たっぷりの車を買っても「壊れなかったら損・・・」とはならないと思いますがw
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