軽自動車なみに小さい外車を軽自動車として登録できるのか?
2019/10/11
僕は車に興味が出始めたころから「外車に乗りたい」という夢があり、それが未だに叶っていません。
外車って、なんとなく特別感があるんですよね。
それが何かって言われると説明できないんですけど・・・おそらく優越感に浸れるステータスなのかなと思っています。
ただ、外車(とくにアメ車)の場合、車体サイズも排気量もかなり大きく、日本での街乗りには適していないことが多いです。
その分税金も高くなりますし・・・僕みたいな小市民にはなかなか叶えられない夢だったりするのです。
そんな時、「あれ・・・クラシックミニとかって軽自動車ばりに小さいけど、あれを軽自動車として登録することってできないのかな・・・」というのは誰もが感じることではないでしょうか。
というわけで、小さな外車を軽自動車として登録できるのか・・・?について調べてみました。
そもそも軽自動車とは?
そもそも軽自動車というカテゴリーは日本独自の規格であり、海外には存在しません。
小さな島国である日本に適合するように生まれた特別な車なんですね。
そのため、基本的に「外車の軽自動車」というものはありえないのです。
※例外的に英ケーターハム社のSEVENという車が日本向けに軽自動車規格の特別グレードを製作販売しています。
軽自動車の規格
では軽自動車っていったい何?ってところなんですが、以下3つのポイントで説明できます。
- 4人乗り車
- 660cc以下のエンジン
- 全長×全幅×高さが3.4m×1.48m×2.0m以内
厳密には積載量の規定もあったと思います。
逆に言うと、これらを一つでもオーバーしていた場合、それは軽自動車とは呼べないわけですね。
軽自動車と呼べないということは・・・軽自動車として車検に通らないということを意味しています。
たとえば660cc以下かつ車体サイズが規定内の車だったとしても、シートが5つあれば・・・税制面などでの優遇が受けられない、ただの非力な小型自動車として扱われるということです。
クラシックミニやチンクは軽自動車にはなれない
軽自動車みたいなヤツで外車っていうと・・・真っ先に思い浮かぶのはクラシックミニだと思います。
現行のBMWミニはかなり大きいですが、「ミニはミニでもクラシックミニなら軽自動車サイズなんじゃない?」って感じますよね。
実際クラシックミニの車体サイズを見てみると、軽自動車適用の範囲内だったりします。
軽自動車の規格 | ミニのサイズ | |
---|---|---|
全長 | 3,400mm | 3,051mm |
全幅 | 1,480mm | 1,410mm |
全高 | 2,000mm | 1,346mm |
乗車定員 | 4名 | 4名 |
排気量 | ~660cc | 848cc~ |
ただ、残念なことに(?)、排気量がオーバーしちゃってるんですね。
前述のとおり、一つでも規定からオーバーしている場合は軽自動車として登録できないのです。
現行の規格に適合していてもダメな例
660cc以下のエンジンを搭載した外車なんてそうそうないと思っていましたが、古いFIAT 500(2代目)なら479ccのエンジンを積んだ小さいモデルがあるとのこと。
で、調べてみると以下のような車体サイズであり、軽自動車として登録できる範囲内に収まっているわけです。
軽自動車の規格 | FIAT 500のサイズ | |
---|---|---|
全長 | 3,400mm | 2,970mm |
全幅 | 1,480mm | 1,320mm |
全高 | 2,000mm | 1,320mm |
乗車定員 | 4名 | 4名 |
排気量 | ~660cc | 479cc~ |
どうでしょう。余裕でクリアしていますよね。
でもこれ、軽自動車としての登録ができないんだそうです。
というのも、このFIAT 500が製造されたのが1957年~1977年であり、「当時の軽自動車規格に適合しない」というのが理由でした。
実はこの当時の軽自動車の規格は今と違ったんですね。
当時(1955年~1975年)の規格に照らし合わせてみると、以下のとおり。
軽自動車の規格 (1975年まで) |
FIAT 500のサイズ | |
---|---|---|
全長 | 3,000mm | 2,970mm |
全幅 | 1,300mm | 1,320mm |
全高 | 2,000mm | 1,320mm |
乗車定員 | 4名 | 4名 |
排気量 | ~360cc | 479cc~ |
全幅および排気量がオーバーしています。
軽自動車は製作年月日当時の規格によって判断されるんだそうです。
・・・そう思うと1976年~1989年の車の場合は全幅が1,4m、排気量が550ccまでOKなハズなので・・・76年~77年に製造されたチンクなら軽自動車として新車登録できたと思うんですが・・・情報がないですね。
※追記:コメント欄でご指摘を頂きました。
1972年からFiat 500の排気量は600ccとなったそうで、結局のところNGらしいです。
とにかく二代目FIAT 500は現在の規格にあっていながらも軽自動車として登録することはできないアイテムということになります。
現在まったくの新車として登録しようとしても、今度は安全性などの面でクリアできずに登録すらできないんだとか。
街中で軽自動車の外車を見ることがあるかも
以上のようなことから、軽自動車の外車は存在しない・・・と結論付けても良さそうなのですが、実際には街中で普通に走っている軽自動車の外車を観ることがあるかもしれません。
たとえばFIAT 500の後継車であるFIAT 126。
1990年以降に登場したものは当時の日本の軽自動車規格にも適合したアイテムであり、日本で「軽自動車として登録できる外車」として販売されていたそうです。
今でも中古車情報サイトを検索すれば出てきますね。
また、軽自動車にミニの外装を取り付けて正規の改造車として登録するサービスを行っている会社もあるので、「軽自動車の外車」を叶える手段がないわけではない・・・ということになりますね。
関連記事
-
軽自動車のエンジンオイル、ミッションオイルの交換タイミングや種類について
軽自動車のメンテナンスの一つに、オイル交換が挙げられます。 実は自動車に使うオイ …
-
オートマ車のN(ニュートラル)って何の為にあるの?燃費が良くなるという噂の真相は・・・?
オートマ車に乗っていて、シフトレバー(AT車の場合は正しくはセレクターと言うそう …
-
軽自動車に搭載されている「ターボ」って何?
よく軽自動車を探していると「ターボ搭載」などと書かれたモデルに出会うことがありま …
-
軽自動車の計器パネルについてのおさらい
軽自動車を購入して乗ろうという方は当然自動車免許を持っていますので・・・基本的な …
-
軽自動車のタイヤ・ホイールサイズの見方や種類と、テンパータイヤについて
中古で買った軽自動車ですが、足回りなんかをおしゃれにドレスアップしていきたいもの …
-
軽自動車の馬力と排気量の関係について
車の性能を測る際に「馬力」が使われているのを目にしたことがあると思います。 現在 …
-
軽自動車はルーフキャリアでもっとたくさん荷物を運べる!
軽自動車は小さくて小回りが利く反面、どうしても普通車に比べたら室内が狭く、たくさ …
-
軽自動車にもスポーツカー、オフロード、SUV、ガルウィングがある!
軽自動車は小回りも利くし、維持費も安いし、個人的には大好きなんですが、どれも同じ …
-
なぜ軽自動車に軽油を入れてはいけないのか?ハイオクガソリンはいれてもいいの?
軽自動車という名前から、いまだにガソリンスタンドにてガソリン車である軽自動車に「 …
-
軽自動車で高速道路は走れる!?その時の法定速度など注意点について
高速道路は自動車免許を取得するときにも走行(もしくはシミュレーターで体験)するの …
Comment
>76年~77年に製造されたチンクなら軽自動車として新車登録できたと思うんですが・・・情報がないですね。
FIAT500は1972年からエンジンが600ccになってるので無理です
暗号化キーは49987さん
コメントありがとうございます。
本文に追記させていただきました!